ワーホリ見習い坊主のカナダで一期一会ー日系カナダ人補償問題ー

ワーホリ見習い坊主のカナダで今日も一期一会 バンクーバーの日系カナダ人のおじいちゃんの話の補足です

日系カナダ人補償問題について

1942年の日系カナダ人のBC州追放(1949年までBC州への帰還禁止)財産没収は日本人が「戦争協力者」であるとの政治的見解から行われた
しかし当時の日系カナダ人の中にはカナダ軍に義勇兵として参加するものもいたし、ドイツ系カナダ人に関して一切このような措置がとられなかったことを考えると、幾分かはアンフェアであったといわざるをえない

にもかかわらず、戦後も補償に関して日系人のリアクションは遅かった
ひとつの理由として1950年代はなれない土地での生活基盤の再構築に忙しく、過去の不幸な出来事から目をそむける傾向があった
しかし、1960年代に入ると、そういった親の世代の沈黙に疑問を持ち始める3世が現れ始め、1978年にはNJCCA(NAJC、全カナダ日系人協会の前身)の会議で補償委員会が成立した

1988年9月22日、当時のブライアン・マルローニ首相は議会でNAJCとの間に包括的な補償に関する解決が成立したことを発表した

以下その声明の一部
「第二次大戦中、大戦後、その大部分がカナダ市民である日本に先祖を持つカナダ人はそのコミュニティーに対してカナダ政府によって取られた前例のない行為によって損害をこうむった。当時、軍事的に必要と考えられていた事であったとしても、第二次世界大戦中の日系カナダ人の強制移住と収容、そして大戦後の強制送還と追放は不当なものであった。」
(日系ヘリテージセンタミュージアムの補償問題に関する展示のパンフレットより抜粋)

補償の内容

☆日系カナダ人に対しての不当行為を認め、戦争措置法の被害者に21,000ドルを支払うこと
☆戦争措置法違反により犯罪者とされた人達の罪歴抹消
☆強制送還者の市民権の復活
☆社会基盤である日系コミュニティー復活のために1200万ドルをの資金を設置
☆ カナダ人種関係基金の設立のためにNAJCとカナダ政府の名前で2400万ドルを用意すること

このコミュニティーの基金を管理、分配するために日系カナダ人補償基金が設立され、日系ヘリテージセンタをはじめとするコミュニティー設備や教育や文化芸術プロジェクトが発足する
(日系ヘリテージセンター ミュージアムアシスタント ニコール小川さんのお話を要約)

参考資料

☆グランシス・フランシス/木村和夫編
『カナダの地域と民族 歴史的アプローチ』同文舘 1995年

☆日本カナダ学会編
『資料が語るカナダ1535~1995』有斐閣 1997年

☆マリカ・オマツ著/田中祐介・田中デアドリ訳
『ほろ苦い勝利 戦後日系カナダ人リドレス運動史』現代書舘 1994年

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