留学やワーキングホリデーではじめて海外に長期滞在する時に気になるのが、何を持っていけば良いのかではないでしょうか。
今回は荷物を運ぶためのメインの手段になるスーツケースの選び方をご紹介します。特に海外旅行ではなく、留学やワーキングホリデーに最適なスーツケース選びのポイントが中心です。
この記事を読めば、お店でどこを見てスーツケースを選べば良いかがわかりますよ。
飛行機に預けられるサイズが最重要
ほとんどの方が飛行機を利用して海外へ渡航するのではないでしょうか。
国際線には2種類の荷物があります。「機内に持ち込む荷物」と「チェックイン(受付)で預ける荷物」です。
機内に持ち込む荷物は身の周りのものやすぐに使うものです。パスポートや財布、滞在先や学校の住所のメモなどがそれにあたります。
また、壊れやすいものや振動に弱いもの(パソコンなど)も機内に持ち込むと良いでしょう。
なお、刃物や液体などは機内に持ち込めません。他にも持ち込めるものに制限があるので注意してください。
そして肝心なのが預けられる荷物のサイズです。
航空会社ごとに預けることができる荷物の大きさや重さが決められているためです。
預けられる荷物の大きさや重さには厳しい制限があり、制限を超えると超過料金がかかってしまいます。
超過料金はかなり高額です。航空会社やどれだけ超えたかによって変わりますが、ほとんどの場合1万円以上です。
せっかく貯めた留学・ワーホリ資金をこんなことに使ってしまうのはもったいないですよね。
それでは実際の航空会社の預け荷物の制限を見てみましょう。
今回は日本からカナダのバンクーバーへ行く場合を例にします。2017年1月現在、直行便があるのはこの4つの航空会社です。
- 全日空(ANA)
- 日本航空(JAL)
- エアカナダ
- アメリカン航空
この4つの航空会社の預け荷物の制限を見てみましょう。
なお、航空会社の会員になっておらず、エコノミークラスに乗った時の制限をご紹介します。航空会社の上級会員になっていたり、ビジネスクラスなどの上位の席を利用したりする場合では、より多くの荷物を預けることができます。
また、荷物のルールは頻繁に変わります。渡航前に最新情報をチェックしておいてくださいね。
こちらが2017年1月19日現在の各航空会社で預けられる荷物の制限です。
航空会社 | 1個あたりの重さ | 大きさ | 個数 | 公式サイト |
---|---|---|---|---|
全日空(ANA) | 23kg/50ポンドまで | 158cm | 2個まで | 全日空(ANA) |
日本航空(JAL) | 23kg/50ポンドまで | 203cm | 2個まで | 日本航空(JAL) |
エアカナダ | 23kg/50ポンドまで | 158cm | 2個まで | エアカナダ |
アメリカン航空 | 23kg/50ポンドまで | 158cm | 2個まで | アメリカン航空 |
(スーツケースの大きさとは持ち手やキャスターを含めた縦、横、高さの合計です)
上の表から預けられる荷物の重さは23kgまで、大きさは158cmまたは203cmまでということがわかります。
日本航空の場合には3辺の合計が203cmまでのスーツケースが預けられますが、他の航空会社を利用するかもしれないと考えると158cm以下にしておいたほうが良いでしょう。
基本的には、この3辺合計が158cm以下のスーツケースを選びましょう。
お店で買うなら店員さんに3辺合計でいくつになるのか聞いてみましょう。インターネットで買うなら商品詳細にサイズが書いてあるはずです。
選び方のポイント
航空会社で預けられる荷物の制限から大きさが決まることがわかりました。スーツケースの縦、横、高さの3辺の合計が158cm以下です。
それではその大きさでどの基準でスーツケースを選べば良いのかご紹介します。
おすすめのサイズは80リットル
スーツケースは中にどれぐらいの荷物が入るのかを”リットル”で表します。
スーツケースの中に水をパンパンに入れたことを想像してみてください。その水が入った量がスーツケースの容量になります。
航空会社で預けられるのは3辺合計が158cm以下の荷物です。
一般的なお店で売っているスーツケースのうち、158cm以下で一番大きいのが80リットルです。スーツケースのブランドによっては78リットルや82リットルだったりしますが、大体80リットルと覚えておけば大丈夫です。
「大は小を兼ねる」というように制限内で一番大きい容量のスーツケースがおすすめです。
小さいスーツケースを買って「もう入らない」となってしまったら元も子もありませんからね。
預け荷物の制限いっぱいの大きさのスーツケースを選べばよいということがわかりました。
それでは続いてどういう機能や特徴のスーツケースが良いのかご紹介します。
素材が軽いものがいい
航空会社に預けられる荷物の制限は大きさと重さです。大きさは先ほど確認しました。
次にチェックするのは重さです。
ここは意外と盲点なので注意してください。
大きさと容量が同じスーツケースでも、なんの素材でできているのかによって中に入れられる荷物の量が変わります。
なぜなら空港で荷物を預けるときに量るのはスーツケースと荷物の合計の重さだからです。
つまり、スーツケース自体が重いと中に入れられる荷物の量が少なくなってしまうんです。
スーツケースは布やアルミ、カーボンなど様々な素材でできています。軽さや耐久性、デザインなど素材ごとに特徴があります。
ざっくりとした感覚では高いスーツケースほど軽くて丈夫な素材を使っています。ひとつの目安になるのではないでしょうか。
ソフトかハードかは好み
スーツケースは様々な素材でできているとご紹介しました。
素材を大きく分けると「ソフト」と「ハード」に分かれます。布など柔らかい素材でできているものが「ソフト」。アルミやカーボンなどの固い素材でできているものが「ハード」です。
どちらのタイプを選ぶかは正直好みです。日本人はハード、欧米人はソフトを使っているような気がします。
素材の軽さを重視するならソフト、丈夫さを重視するならハードが良いかと思います。
ちなみに私はハードのスーツケースを使用しています。
空港での荷物の扱いは結構雑です。投げられたり、上にガンガン乗せられたりしています。
少しでも中の荷物を守るために固いハード素材のスーツケースを選びました。
また、あまり行儀は良くないですが、渡航後のシェアハウスやアパートでテーブルがない時に、ハードタイプのスーツケースだったらテーブル代わりになりますよ。
留学・ワーホリなら固いフレームタイプがおすすめ
スーツケースの枠の部分にも違いがあります。「固いフレームタイプ」か、「ファスナータイプ」かです。
素材がソフトなものはファスナーが多く、ハードなものはどちらのタイプもあります。
フレームかファスナーかも好みです。
しかし、留学やワーキングホリデーを考えているあなたはちょっと気にしたほうが良いかもしれません。
留学やワーホリをするならフレームタイプのスーツケースを選びましょう。
学校の寮やシェアハウスではフレームタイプのスーツケースが金庫代わりに使えます。中に貴重品を入れて鍵をしてしまえば開けられることはありません。
四輪のほうが何かと便利
スーツケースの違いで大きいのがキャスターの数です。
片側にキャスター、片側にストッパーがついている「二輪タイプ」。両側にキャスターがついている「四輪タイプ」です。
今回は80リットルの大きいスーツケースをおすすめしています。
そして預け荷物の制限いっぱいの23kgまで荷物を積めたとすると、運ぶのが結構つらいと思います。
特に女性は厳しいかもしれません。
そこで四輪タイプを選んでおくと移動が楽になります。
二輪タイプでは方向転換する時にグルっと回さなければいけないのですが、四輪タイプではどの方向にでも進むことができます。電車など狭い空間ではその威力を感じることでしょう。
また、二輪タイプでは基本的に引っ張って移動しますが、四輪タイプでは押すこともできます。疲れも軽減されますね。
鍵のタイプはTSAロック
「TSAロック」とはアメリカの運輸保安庁(TSA)から認定を受けた鍵のことです。
アメリカはテロ対策で荷物のセキュリティチェックがとても厳しくなっています。そこで飛行機に預ける荷物の鍵は基本的に開けておかなければいけません。
怪しい荷物やランダムに選ばれた荷物はTSAの職員が中身をチェックします。その時に鍵が閉まっていたら鍵を壊して無理矢理開けてしまうんです。なお、TSAは無理矢理開ける権限を持っていて、その責任も負わないこととなっています。
しかし、誰でも鍵が壊されてしまうのは嫌です。
そこで開発されたのがTSAロックです。TSAロックでは特別な鍵があり、TSAの職員が持っています。その鍵を使うとすべてのTSAロックを開けることができます。
つまり、TSAロックの鍵を開けられるのはスーツケースの持ち主とTSAの職員です。そんなことからTSAロックのスーツケースはアメリカに行く時に鍵を閉めておいてもいいんです。
日本からカナダへアメリカ経由で行かれる方もいらっしゃるでしょう。また、カナダの多くの留学生やワーホリがアメリカ旅行に行きます。
アメリカに行く際にTSAロックのスーツケースを使っていれば、鍵を閉めておいても大丈夫です。
そのような理由で、できればTSAロックのスーツケースを選びましょう。
まとめ
ここまで留学やワーキングホリデーにおすすめのスーツケースをご紹介してきました。
どのようなスーツケースを選べばいいのかまとめます。
容量 | 80リットル前後 |
サイズ | 縦、横、高さの3辺の合計が158cm以下 |
素材 | アルミやカーボンなど固いハードタイプ フレームタイプ |
キャスター | 四輪タイプ |
鍵 | TSAロック |
お店に行くといろんなスーツケースが置いてあります。
上の表を参考にして、スーツケースを選んでみてくださいね。
大きさや機能、そしてデザインなど様々な観点からチェックするとお気に入りの一品が見つかるはずですよ。